常総の水害被災地を忘れないで

私が、NPOと出会った恩人は、茨城大学の名誉教授、帶刀(たてわき)先生です。

1998年、特定非営利活動促進法ができた年、私は放送大学の学生でした。

帶刀先生のゼミの先輩で、茨城NPOセンター・コモンズを立ち上げた横田能洋さんも、また

私の恩人です。そのご縁で、私はコモンズの理事をさせていただいています。

横田さんは、茨城県常総市(水海道)に住んでいます。

コモンズの事務所も、水戸のほかに常総にも構えていました。

昨年9月11日、台風18号の被害は甚大で、横田さんから発信される情報は

こんな近くで起こっていることとは信じられないくらい、深刻なものでした。

東日本大震災のときに映し出された悲惨な映像は記憶にある方も多いと思いますが、

局所的には、同じくらいの被害です。

昨日、常総事務所に行きました。

被害直後、全国から多くのボランティアの方たちがきて復旧活動をしていた事務所は、

今は終息し、10数名のスタッフ、ボランティアが、家屋の解体、床貼り、壁のカビを除く消毒作業、

避難生活をしている方たちの移動サービス、軽トラックや高圧洗浄機などの貸出など、

いまだに元通りの生活には程遠い地域の方たちのために、地道な活動を行っています。

一方、事務所近くの空き家、ビジネスホテルなどをコモンズに無償や安価で提供して下さる方が出てきて、

そこを改修し、炊き出しや子どもたちが集う拠点にしようと、動き始めています。

一見、元通りに見える街並みも、飲食店もまだ営業再開できているところは少なく、

ようやく床を上げて改築が始まったところもあります。

寒さをしのいで、毎日の暮らしをなんとか立て直しているところだと思います。

非常時に必要な支援は見えやすいですが、平時から困ったことがあったら助け合う

地域社会が必要なんだ、とあらためて感じます。

常総の復興に関われるチャンス、私たちもしっかりと応援していきたいと思います。