神山サテライトオフィスでの暮らし
ソノリテは、東京の木場に本社がありますが、徳島県神山町にサテライトオフィスを出して4年になります。
Bokinchanの生みの親、トム・ヴィンセントさんの紹介で、初めて神山を訪ねたのが2012年1月です。
今は6名のスタッフさんたちがシフト制で神山オフィスの業務を回しています。
海外に拠点があるNGOの日本募金受付センター、国立大学の基金事務局の専用フリーダイヤル、
福島の被災地の子どもたちの支援活動をしている一般社団法人など、
非営利組織のバックオフィス業務をサポートしています。
今月は、京都での仕事を終えて大阪まで京阪電車で移動し、なんばから高速バスで松茂にはいりました。
徳島空港にシェアカーを取りに立ち寄り、今回はサイファーテック美波号で神山へ。
ソノリテのオフィスは、神山温泉の近く、道の駅のすぐ裏にあって、いわば繁華街です。
築100年の長屋にあるソノリテオフィスは、坂東幸助さんがリノベーションを最初に手がけて、
それに魅せられたSansanの寺田社長が神山にサテライトを開いたという、
いわばサテライトオフィス発祥の地。
今では、すっかり事務所風になってしまいましたが、都心の壁に囲まれたオフィス環境からは程遠い、
落ち着いた雰囲気のオフィスです。
四国の山間部、人口6000人弱の過疎地の山奥のオフィスで、日本全国の方からの電話を取り、
被災地や海外の支援活動につながる入り口の業務を行える、ちょっと素敵だな、とうれしく思っております。
スタッフも、毎日寄付者の方やボランティアしたいという方からのお電話をとり、さまざまな想いや、
その方の人生経験などを聞いて、時には感動して涙することもあるといいます。
ソノリテのオフィスは、子育て中の女性や農業を兼業している女性など、いろんな働き方ができるように
助け合っています。横文字でいうとワークシェアリング、でしょうか。
人生のライフステージは、刻々と変化します。その時々にできることを助け合いながらやれれば、
ひとり一人の力を十分に発揮してもらうことができます。
昨年、東洋経済オンラインでは、スタッフが保育所に預ける前の子どもをおんぶひもでおんぶして出勤している写真が
掲載されました。
土曜日に、仕事がたまって出勤しなければならないときは、3人の子どもたちに宿題をもってきて机でしながら、
横で仕事をしているスタッフもいます。
そんな働く場があってもいいじゃないでしょうか?お金のためだけじゃなく、社会のために役に立っていることが、
ソノリテ全員の誇りです。
神山サテライトオフィスのこんな働き方をバックアップしていただいているのが、NPO法人グリーンバレーのみなさんです。
最初にオフィスを出すときから、スタッフ募集の説明会をするとき、
オフィスが暑かったり寒かったり、仕事が増えて人が足りない時、虫が出て困るとき、
何かにつけて、相談するとすぐに様子を見に来て、手伝ってくださいます。
私が神山に滞在するときは、グリーンバレーの理事の岩丸さんのお宅に、ホームステイしています。
岩丸邸は、神山塾生が下宿をしていたり、サテライトオフィス関係者がよく立ち寄ってくれたり、
夜の宴はいつも地元の方や視察に来た方の憩いの場です。
そこで知り合った方とは、すごく近しい距離になって、仕事の話につながったり、一緒に視察旅行に行ったり。
神山の将来のまちづくりについても、地方創生とかって流行っていますが、そんなことじゃなくて、
普通にこうなっていきたいね、という話を語り合います。
都会の便利さはないけれど、人との距離が近くて、グローバルで新しい発想をもった、
楽しいことを考えたり実行したりすることが大好きな人たちが集う神山で、ソノリテの事業は新たな形を作り出そうとしている途中です。
そんな神山だから、非営利組織のバックオフィスとして、みなさまの信頼にこたえていけると信じています。