伝えることのむずかしさと、感性に訴えるデザイン

こんにちは。ソノリテ Bokinchan 事業のスタッフ H です。
さて、「百年の〇〇」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべますか?
多くの方にとって真っ先に浮かぶのは、やはり『百年の孤独』ではないでしょうか。
希少な焼酎を思い浮かべる人もいれば、ノーベル文学賞作家ガルシア=マルケスの名著を思い浮かべる人もいるでしょう。私は、どちらかというと前者かな(笑)。
百年の愚行
では、2002年に発行された『百年の愚行』はどうでしょう。
発行したのは、一般社団法人 Think the Earth(シンク・ジ・アース)様。2002年の刊行当時、テーマの重さとアート性の高さが共存する一冊として大きな注目を集めました。その後、2014年には『続・百年の愚行』も発行されています。
改めて見ると、『百年の愚行』は本当にインパクトのあるタイトルです。
ページをめくると、海や川の汚染、大気汚染、森林破壊、動物虐待・虐殺、大量生産・大量消費、戦争、差別・迫害……。苦しくなるような写真が次から次へ、容赦なく並びます。そして恐ろしいことに、これらはすべて人間の仕業だということ。
たった百年の間に、これほど多くの「愚行」が繰り広げられてきたのかと呆然とします。
見るのがつらいと思いながらも、どんどんページをめくってしまう——そんな力のある一冊です。
Think the Earth さんは、このほかにも多くの書籍を手がけていらっしゃいます。
ソノリテが 2025 年 12 月 21 日(木)に開催する NPOサミット2025。
Think the Earth 様はサミットの趣旨に賛同し、
物品協賛をしてくださることになりました。
この記事で取り上げた『百年の愚行(限定出版の大判)』と、
もう一冊はビジュアルブック『あおいほしのあおいうみ』。
SDGs 14「海の豊かさを守ろう」を中心テーマに、誰もが海について楽しく学べる
ビジュアルブックです。
”ジャケ買い”したくなる書籍たち
Think the Earth さんの活動は幅広く、書籍の制作・発行はその一部にあたります。
ウェブサイトにある書籍紹介ページには、絵本や美しいビジュアルブック、『百年の愚行』のような写真集まで、多彩な作品が並んでいます。
どの書影もデザイン性が高く、思わず“ジャケ買い”したくなるような魅力があります。
テーマに関心が薄い人でも、まず手に取りたくなる。そしてページを開くと自然と引き込まれ、気がつけばその課題への共感が芽生えている
——そんなふうに丁寧に作られていることが伝わってきます。
Think the Earth のウェブサイトには、次のようなミッションが掲げられています。
https://www.thinktheearth.net/jp/
「持続可能な社会の実現に向け、環境問題や社会問題への無関心を好奇心に変え、
Think the Earth する人や企業(=地球的視野で考え行動する人や企業)を世界中に育て、増やしていく」
活動の柱として紹介されているのは、以下の 5 つです。
・プロジェクトづくり
・広報・普及啓発・教育活動
・調査/コンサルテーション/コーディネート
・講演/ワークショップ/研修/出張授業
・NPO/NGO の活動支援
これらの活動の一環として、書籍の制作や編集が行われているとのことです。詳しくはぜひ、以下のウェブサイトをご覧ください。
メッセージを伝えるむずかしさと、クリエイティブの力
深刻な課題であればあるほど、「まず手に取ってもらう」(=関心を持ってもらう)ことが難しい。
正しいことをまっすぐ伝えているだけでは、なかなか届かない——NPO活動に関わる皆さんのなかには、そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
だからこそ、Think the Earth さんの取り組みに見られるような
かわいい・きれい・おもしろい といった“感性へのアプローチ”の力は偉大だと感じます。
皆さんも、まずは一冊手に取ってみてはいかがでしょうか。デザインやクリエイティビティの力によって、コミュニケーションは驚くほど前に進むことを実感されるのでは。
本としての魅力はもちろん、「自分たちの伝えたいことをどう広げるか」「どう共感を生むか」というヒントにもなるかもしれません。
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