ブーンさん

私が影響を受けた恩人をご紹介する「人・ご縁」シリーズ

第2弾は、やはりこの人。ブーンさんです。

世界の子どもにワクチンを日本委員会の事務局長だったブーン智津子さんは、私を拾い、育ててくださった大恩人です。

2002年、吉田里江さんの活動をお手伝いしていた時に、東京のオフィスがワクチン委員会の中にあり、

世界のこどもネットというNGOの活動をサポートするついでに、ワクチンの留守番もしてというようなきっかけでした。

ブーンさんは、まだ日本にテレビ局が開局したばかりのころ、美大を出て美術スタッフとしてテレビ局に入社、

その後アメリカに行き、アメリカのホテルなどで仕事をされ、日本に帰国後もPR会社などで仕事をされた経験があります。

でも肩書や経歴がすごいことではなく、モノの見方、考え方、生き方が本当にかっこいい方です。

30歳になったばかりの私は、倍以上の年齢でありキャリアも何も一流のブーンさんに対して、

恐れを知らず、偉そうなことをぶつけ、対等に議論をしてきました。

今思うと、ブーンさんだからこそ、私にそのような態度をとることを許容され、自由にのびのびと発揮できる環境を作ってくださっていたのだと感謝ばかりです。

今から20年前、まだシングルマザーが、そしてNGOで働くことが珍しい時代に、最初に言われたこと。

「どこにいて仕事をしても構わないのよ。子どもが小さいうちは子どものことが優先されるべきだから」

そう言って、ノートパソコンを用意してくださり、形ばかりの出社など必要ない、実質的に仕事をしてくれればどこにいても構わない、と教えてくださいました。

また、ブーンさんが事務局長、吉田さんが事務局次長、平のスタッフが私1人という体制のときに、経理やシステムのことはすべて、あなたに任せた、と言って

一切を私のやりやすいように任せていただき、それでいて、代表やほかの理事に対しての説明責任はすべて、ブーンさんが果たしてくださいました。

もちろん、厳しい言葉で教えていただく場面もたびたびありました。デスクの上に書類を積み残して帰ると、翌朝はすべて捨てられていたなんてことも。

でも、私にとってこの人は役に立ってくれる、こういう人の話を聴きなさい、時には難しい場面にも連れて行ってくださり、いろんな人脈を惜しみなく共有してくださいました。

また、そんなオフィスで、一番大事な仕事は、水曜日と金曜日に必ず決まってきてくださるボランティアの皆様のことだと、指示書に書いて申し送りをしてくださいます。

作業をしていただくテーブルをきれいに掃除し、道具を用意しておくこと。

御茶の時間にはお菓子をお出しすること。

どんなに忙しくても、ボランティアの方を最優先すること、と書かれていました。

わかっていても、なかなかできないことかもしれません。

このブーンさんとの出会いによって、ただの主婦で、バツイチで子持ちのアルバイトしかしたことがない私が、

一流の仕事の仕方、考え方を叩き込まれることになります。

今もこうして皆様に支えられて仕事を続けてこられたのも、ブーンさんに育てていただいたおかげです。

ソノリテのアドバイザーとして、今でも頼りにしています。

Who is right ではなく

What is right

私の生き方、仕事への向き合い方の道標です。

ご主人のダンさんにも感謝を込めて。