NPOの支援者は誰か?

あなたは「私たちの団体の支援者」というときに、具体的にどんな人たちのことを思い浮かべますか?

寄付者」はもちろん、大事な支援者ですね。さらには、「高額寄付者」は、資金面でサポートしてくださるとてもとても大事な支援者です。

ここまでは、どなたもおそらく思い浮かべる支援者でしょう。

では「ボランティア」はどうでしょう?現場でボランティアの方とともに活動している、という方も多いと思います。ボランティアとして参加していただくこと、そのものに意味がある団体もあるでしょう。ボランティアに参加したことで、団体に親しみを覚えたり、団体の活動をより深く理解してくださり、共感してくださるようになるかもしれません。これもまた、大事な支援者と言っていいでしょう。

学生」はどうですか?例えば、奨学金を給付している団体や学習支援の団体などにとっては、学生さんは団体が提供するサービスの利用者になります。しかし、同時に活動に参加してくれる重要な人材になってくれる場合もあります。サービスを受ける対象と近い立場のスタッフは利用者にとっても団体にとっても心強い存在と言えるでしょう。

事務所の大家さん」はいかがでしょう?お金の流れを考えると、団体から家賃を支払う先になります。でも、交渉した結果、安く借してくださっている ということもあるかもしれません。何を目的に、どんな活動をしているのか。理事長やスタッフはどんな人たちか。さらには、世の中のためになる活動だけど資金的には厳しい状態にある、などなど。おそらく、その団体のことを理解してくださったから、交渉に応じてくれたのだと思われます。そうなると、立派な支援者ですね。

業者の営業担当者の方」 資料やパンフレットを発送するときの配送業者の方。パソコンやプリンターなどのOA機器を購入するときのメーカーや、消耗品・備品の納入業者さんなど。特定の営業担当の方がつく業者さんとお付き合いがある場合はどうでしょうか。

取引先の情報としてWebサイトやSNSを見てくださっているかもしれない。来ていただくたびにオフィスの掲示やポスターなどが目に入っているでしょうし、忙しそうだな、遅い時間まで電気がついているなと気にかけてくださっているかもしれません。

「こんな時刻まで頑張っているんですね」と声をかけてくれて、「実はいま、こんなイベントの準備をやっていて、そのために忙しいんですよ」などと、話せる関係ができているかもしれません。

営業さんも商売ですが、売上げや利益が大きくなくても、みんな一生懸命やっているというムードが伝わってきたり、自分の仕事を喜んでくれる取引先は大事にしたい、と思うのが人情。「しょうがないな、○○さんの言うことなら、無理を聞きましょう」とか「ちょっとサービスしておきますよ」と言っていただけることもあるかもしれません。そうなったら、もうその営業担当者は、立派な支援者と言ってもいいのではないでしょうか。個人的にイベントに参加してくれるようになったり、さらには何かの機会に、他の取引先に、団体のことを紹介してくれるようになるかもしれません。

他のNPOスタッフ」はどうでしょう?いわゆるコンペティター、競合相手ですね。でも、多くの方が自分の団体だけでなく、他の団体にも寄付をした経験があると思います。自分が寄付者になって初めて、こんな依頼をされたら寄付しちゃうなあ、とか。こんな報告書をもらったらうれしいなあ、という実感を得ることができ、とても勉強になります。

ところで、ご自身の団体にも、他のNPOにも、寄付をしたことがない人もいるようですが、「どんな支援者対応を行うのが良いのか」リアリティをもって考えることができるのかなと考えてしまいます。

さて、他のNPOスタッフは支援者か。もちろん、私は支援者だと思います。私自身、過去に多くのNPOの方に教えてもらったり、助けてもらったりしてきました。ともにプロジェクトやイベントを運営したこともあります。NPO同士は、マーケットを取り合うのではありません。ともに新しいマーケットである寄付市場の拡大に取り組んでいるのだと思うのです。

さあ、あなたにとって「支援者」とは、どんな人たちのことだと思いますか?

 

※この記事は、以前ブログに掲載したものを再編集して掲載しています。

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◆ ソノリテでは非営利組織のための支援者管理データベースをご提供しています。はじめはイベントの参加者だった人が、寄付をしてくれるようになったり、ボランティアとして協力してくれるようになったり。名簿を中心に、お問合せやイベント参加、寄付などその人との関係が立体的にわかるよう構築されています。

ソノリテの支援者名簿管理プラットフォーム ぼきんとん について、詳しくはこちらをご覧ください。