まちは暮らしでつくられるとは?|杉本恭子さんの本

こんにちは。Bokinchan事業スタッフのHです。

お正月はいかがお過ごしでしたか?私はどこにも出かけず、自宅でのんびりと過ごしました。

杉本恭子さんの本『まちは暮らしでつくられる 神山町に移り住んだ彼女たち』

お正月休みから、『まちは暮らしでつくられる 神山に移り住んだ彼女たち』という本を少しずつ読んでいます。ソノリテの代表・江崎から「神山町に興味のある方にぜひ読んでいただきたい一冊」と以前紹介されたことがあったので、この機会に読んでみようと購入しておいたのです。

このサイトで何度もご紹介していますが、ソノリテは神山町にサテライトオフィスを設置しており、神山オフィスのスタッフは神山町の住人です。また、代表の江崎は月の半分弱を神山町で過ごしています。

『まちは暮らしでつくられる 神山に移り住んだ彼女たち』は2025年6月に出版された全380ページの本。最近は行間や余白が大きく、文章量の少ない本が増えていますが、この本はパラパラとめくると文字がびっしりで、読み応えのありそうな一冊です。著者の杉本恭子さんが、徳島県神山町に移住した女性34人を中心に、約10年にわたり、のべ100回以上ものインタビューを重ねて書かれたものだそうで、読み手としても気合が入ります。

杉本恭子さんは、京都在住のフリーライター。ソノリテが信頼するプロフェッショナルの一人です。代表の江崎が神山で出会い、コピーライティングや記事(たとえばこちら)をお願いしたこともあります。

神山町とは

神山町は、徳島県のほぼ中央に位置する中山間地域で、全面積の約83%を山地が占める静かな町です。
2005年に町全域に光ファイバー網が整備されたことをきっかけに、IT企業のサテライトオフィスの進出が相次ぎ、都市部からの移住者が増加しました。
これに伴い、飲食店などの新たな第三次産業が生まれ、2011年には1995年に神山町が誕生して以来、初めて社会動態人口が増加に転じました。
空き家活用や移住促進にも積極的に取り組み、自然環境と最先端のテクノロジーが共存する独自の地域づくりが、地方創生の成功事例として関心を集めています。
近年では「神山まるごと高専」の開学が大きな話題になりました。

田舎暮らしに憧れない私が感じたこと

近頃、テレビやそのほかのメディアでも、地方に移住した人の生活を取り上げるものが多くありますね。

年末、大掃除の合間にも、そういった番組や記事をちょこちょこと目にしました。「自然の中で暮らす」ことに憧れる人も多いのでしょう。

実は私、生まれてから就職で神戸市に移り住むまでの22年間を、いわゆる“ポツンと一軒家”——隣家まで歩いて10分以上かかる山中で育ちました。そのため、「自然の中で暮らす」ことに“なんとなく”憧れる、という感覚はあまりありません。

むしろ、メディアで取り上げられる情報は玉石混交で、表面だけをすくい取ったものも多いように、以前から感じてきました。

でも、この本はそういったものとは違います。なんというか……よくある「素敵な田舎暮らしのカタログ」的なものではないのです。

一人ひとりの「仕事」や「暮らし」から、「町」や「自然環境」といったスケールの大きなものまで、それらがどのようにつながっているのかが、丁寧に描かれています。そしてそのつながりは、町や自然といった空間的な広がりだけでなく、時間的な広がりにも及んでいます。

読み進めるうちに、「まちは暮らしでつくられる」というタイトルが、こういうことなのか、と腑に落ちる感覚がありました。

2025年の流行語大賞にも選ばれた「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」。

「なぜ、いまそれなの?」と感じた方も多いのではないでしょうか。それほどに「ワークライフバランス」という言葉が、もはや目新しいものではなくなり、暮らしへの意識が高まっている今。少子高齢化や自然災害などを背景に、地域コミュニティの力にあらためて注目するようになった方も多いのではないかと思います。

この本を読み、考えるほどに、自分自身の存在や役割にフォーカスしていく感覚がありました。

この本から受け取れるものは、「田舎暮らし」を考えている人だけに向けられたものではありません。都会で暮らしている人も、どんな場所に住んでいる人も、自分の生活に置き換えて考えることができる一冊なのではないでしょうか。

 

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