出雲から常陽へ 帯刀会長の足跡をたどる旅

タイトルの写真は、島根県出雲市の帯刀先生のご生家があったあたり。JA多岐の近く、海水浴ができる砂浜と、道の駅「キララ多伎」がある、日本海を臨む場所です。近くの交番でたずねてみても当時をご存じの方には出会えませんでした。「料亭もなみ」の若旦那だった、というのが口癖でした。
帯刀治先生の足跡をたどる出雲への旅
ソノリテの会長、帯刀治(たてわきいさお)故茨城大学人文学部名誉教授。ソノリテ代表江崎の恩師です。私はもちろん、茨城県内の市民活動、NPO関係者にとって影響力のある先生でした。
帯刀先生は、2020年1月2日、コロナの影がじわじわと忍び寄っていたころ、76歳で急逝されました。
その後、帯刀ゼミOB・OGの有志で「帯刀治先生の足跡をたどる有志の会」を立ち上げ、研究会などを重ねています。
今回は、有志の会メンバーの根本真嗣さん、石井彩子さんとともに、先生の足跡をたどる出雲視察旅行に行ってきました。
先生の母校「山校」

まず訪れたのは、先生の出身校、出雲高校です。坂道を上った丘の上にあることから、「山校」の愛称で親しまれているそうです。今回の旅の案内役を務めてくださった、出雲出身のファシリテーター・浦山絵里さんが教えてくださいました。
商店街に芽吹く“発酵”のまちづくり

次に浦山さんが案内してくださったのは出雲高校近くの商店街。シャッター通りになってしまっていますが、なにやらこのカフェは趣があります。「発酵文化研究所」が運営するカフェでゲストハウスも併設しているそう。京町屋のように奥に広がる作りの古民家をリノベーションした雰囲気の良いカフェです。”発酵”は、酒粕などを使ったスイーツメニューを提供しているからというだけでなく、人と人が出会い化学反応(発酵)を起こして新しいものが生まれる、という意味が込められているそう。出雲の商店街にもこんな場ができているんですね!
日御碕の風景と旧友

そして、日御碕の灯台と日御碕神社にお参り。江崎と一緒に写っているのがうらりんこと浦山絵里さん。ナースでもあるうらりんとは10年以上前に、一緒にNPO法人ジャパンハートの研修事業の伴走支援に入ったことがあり、ご子息が神山塾生だったこともある、旧友です。ご実家のある出雲と東京の2拠点生活をされているのだそう。懐かしい再会です。
出雲大社と、旅の締めくくり

島根に来たからには、やはり、出雲大社への参拝も外せません。縁結びの神様、いろいろなご縁が続きますように。

旅の締めくくりは、松江城。閉門に間に合わないかなあ、と思っていたら、夜のライトアップイベントがあって、幻想的なお城を堪能しました。
今も響く先生の問いかけ
茨城は、常陽(ひたち)の国。常に陽があたる、太平洋に面した明るい土地柄です。それに対して出雲は常に雲が出る、日本海に面した冬は寒さが厳しい土地柄、と先生はよく対比して語られていました。
出雲高校の同級生たちがまちづくりをがんばっているから、茨城大学を退官後は一緒に地域づくりのNPOを立ち上げるんだ、出雲と茨城をつないで2拠点生活をするんだ、と夢を語っていた先生。2011年に東日本大震災があり、福島の原発避難者の調査を担当されていたことなどから、出雲での活動は実現しなかったように聞いています。
先生、ご出身の出雲でも、移住者や地域のコミュニティが発酵し、新しいまちづくりがすすんでいますよ。
私たち帯刀ゼミ生は、先生の教えを引き継ぎ、それぞれの地域で実践していく、そしてふと振り返ったときに同じ教えを受けた仲間がいる、それがすごく財産になっていると思います。
「あなたは何をする人ですか?」
今も先生が語りかけてくれているように思います。