事業承継サミット~NPOの事業承継について考える

NPOサポートセンターさんが主催する「事業承継サミット」に参加してきました。

事業承継、考えたことありますか?

NPOの場合、想いのある代表者と数名の役員さんで活動をスタートし、気がついたら10年も20年もたっている、みんなバリバリ動けていたのに最近は高齢化が進んでしまって、若い人に手伝ってほしいけど世代交代できてないな、なんて様子、みなさんも身近に思い当たることがありませんか?

かくいう私も、NPOではなく株式会社ではありますが、ソノリテの経営を誰かに引き継げる日がくるのだろうか、などと思ってしまうくらい、事業承継は遠い言葉でした。

久しぶりのリアル開催とあって、大盛況。いろいろな形での経営者の方のお話や事例をお聞きでき、最後には参加者同士の交流の時間もあって大満足。

私が印象に残ったエピソードをいくつかご紹介します。

サイボウズの青野さんの言葉で、「事業は承継する必要があるけど、組織は承継しなくてもいい」なるほど。サイボウズのkintoneをはじめサービスは利用されているお客さんがいる以上、提供し続けないといけない、でもそれを提供する組織は、極論はサイボウズでなくてもいいわけですよね。逆に、組織を維持しようとばかり考えるとゆがんでしまう。目からうろこでした。

ポラリスの市川さんのお話、「最初から3年で代表を引き継ぐことを決めていました」うーん。そんなこと考えられるなんて、なんて経営者だろうか、と思っていたら、交流の時にたまたまお隣になり、聞いてみました。

「私なんて、毎年、いつ事業が続かなくなるかと思いながら走り続けているので、誰かに代表を引き渡すなんてとても考えられないけど、どうしたらそういう考えになられたのですか?」

「3軒目の家が一番住みやすい、というのと同じです。なかなか代表は引き継げないし、変わる人も簡単には出てきません。ならば、最初から代表は変わるもの、だからみんなで事業や組織を承継していける組織を最初から作ろうと思いました」なるほど。相当な経営手腕の持ち主ですね。

一番印象に残ったのは、主催者であるNPOサポートセンターの松本さんのお話です。

「あれよあれよというまに巻き込まれ、周りを固められ、次の理事長を引き受けてほしいと言われてうんと言ってしまった。だけど、妻に問われて、なぜ理事長を引き受けたのかいろいろ理由を考えた。スタッフががんばっているから応援したい、自分の大学の研究に役に立つと思ったから、などなど。でも、最後に思ったのは、自分自身がやってみたいと思ったから、その答えが出て妻にも納得してもらえた」正直な、素敵な話だと思いました。

つまりは、事業承継のコツは、ノウハウでもお金でもなく、一緒にやろう、引き継いでいきたい、と思える人がどれだけ集えるか。ではないでしょうか。

そして、一緒にやりたいと思える楽しさが一番でしょう!(写真は久しぶりにお会いしたgreensの鈴木さんと!)

事業承継サミットのレポート記事はこちらで紹介されています。

NPOサポートセンターの松本理事長との対談を記事にしていただきました。こちらからご覧ください。