社会福祉法人来島会×土谷享 「どんどこ!巨大紙相撲 南国場所」 〜人がつながるアート〜
ソノリテインターンの西谷彩(にしたにさやか)です。大学ではアートプロデュース学科でアートの伝え方について学んでいます。
2024年3月3日(日)に来島会さまの施設、南海学園で開催されたアートイベント「どんどこ!巨大紙相撲 南国場所」をレポートしていきます!
「どんどこ!巨大紙相撲」はアーティストの土谷享さんが主宰するアーティストユニット「KOSUGE1-16」が考案したワークショップ。参加者が自ら180センチの巨大段ボール力士を作り、大相撲大会を開催する…というアートイベントです。
来島会さまについて
来島会さまは 現在、20施設52事業を運営している社会福祉法人。“すべての人が「障害」を感じることなく、自分の意思で質高く暮らすことのできる地域社会の実現” をビジョンとしてかかげ活動されています。ソノリテとのおつきあいは、2年前に「地域と繋がりを持ちたい」というご相談をいただいたことが始まりだそう。
現在、その手段として支援者名簿管理プラットフォーム「ぼきんとん」の導入をご提案し、ファンドレイジングについてもサポートしています。
アートイベント開催の経緯
来島会さまからアートに取り組みたい、というお話をうかがったことをきっかけに、ソノリテの様々なご縁がつながり、2023年8月、アーティストの土谷享さんをご紹介したそうです。そしてこの度、南海学園でアートによる地域連携イベントを開催することになりました。
当日、開催の挨拶で来島会理事長の越智清仁さまからも「地域に開かれた、気軽に関わりやすい施設にしたい」という地域連携への想いをうかがいましたが、私は、地域との繋がりを増やしたいという課題に対して、アーティストやアート作品がどのように作用しているのか興味津々です。
「第1回 どんどこ!巨大紙相撲 南国場所」
南海学園は知的障害のある児童を保護するとともに、独立自活に必要な知識技能を身につけてもらうことを目的とする知的障害児入所施設。太平洋に面した南国市にあり、空気や日差しが気持ちいい場所です。
会場となる施設に入ると、オリジナルの法被を着た職員さんたちが受付をしてくださいました。そこで、出場力士を紹介している「力士名鑑」を受け取ります。この巨大紙相撲の力士たちは2月に地域の方々が参加して段ボールで制作し、四股名をつけたものです。この力士が強そう!四股名が面白い!など早速ワクワクしました。会場は、座る場所が無くなりそうなほど、子供から高齢者の方まで多くの方々で賑わっていました。土谷さんから大会のルールや勝敗の決め方などの説明があり、トーナメントを勝ち上がった1位~3位のチームには豪華賞品が贈呈されることが発表され、さぁ開幕です。
行司が出場する力士たちの名を、声が裏返るほど元気な声で呼び、期待に胸が高まります。紙でつくられた巨大な力士は、運んでいる人よりも大きくて迫力がありました。行司の「はっけよーいのこった!」の掛け声で、子どもや大人、学園の利用者さんたち、職員さん、地域の方々が土俵の周りを囲み、ドンドコドンドコと大きな音を鳴らしなしながら土俵を叩いて、振動で紙の力士を動かします。客席からは「がんばれー!」と声援も聞こえ、たいへんな盛り上がりです。行司が決めた勝敗に対して「物言い」をつけることもできるルールで、2回戦にして負けた側から「物言い」が出るという白熱したムード。
実況席があり、土谷さんがする力士の絵の解説も楽しかったです。私は体が大きい力士を応援していたのですが、意外にも細身の力士に負けてしまい、大きさだけじゃないんだなあと紙相撲の深さを知りました。
休憩時間には、南国市で活動する吹奏楽団「Musical Time」による演奏もあり、みんな手拍子で盛り上がり、愉快で楽しい休憩時間を過ごしました。
そしていよいよ結びの一番、決勝試合。チームメンバーから「第一回優勝者を出すぞお!」という声が上がり、熱気が高まっていきます。行司の横には子どもたちが集まり、一緒に「はっけよーいのこった」と元気な声を響かせていて微笑ましかったです。
試合が終わると、1~3位までのチームへの商品贈呈だけでなく、全てのチームが参加賞のお菓子を受け取っていて、先ほどまで熱い戦いを行っていたチーム同士が互いに晴れやかな笑顔になっていることがとても印象的で、この大会を通してたくさんの元気をもらいました。(大会の楽しい様子は 高知新聞のyou-tubeでもご覧いただけます。)
大会を終えて
大会終了後に、来島会の理事・事務長である三幡大輔さまからお話をうかがいました。
この企画に取り組み始めた頃は、もっと小さな規模を想定していたとのこと。しかし、ふたを開けると地域の皆さんから多くの応募があり、チーム数は予定数の倍の16チームへ増え、協賛も地域企業や南海学園保護者会などからあわせて5つも集まったそうです。また、この企画を進めるなかで、職員の頼もしさを再認識するといううれしい発見もあったのだとか。
今後も、土谷さんと協力して、毎年開催してきた夏祭りももっと面白い活動にしていきたいと語ってくださいました。
地域連携にアートがもたらす作用。地域の人たちに、福祉施設に来てもらう、見てもらうだけでなく、共に制作をすることや、気軽にからだを使って本気で戦うことで、互いの「人」を知り、つながる機会になっているのだなぁと思い、興味深く感じました。
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