重複名簿ができる理由
ソノリテのWEBサイトの一番上に、”非営利組織に特化した、オンライン募金システムの開発提供と事務代行サービス。”という一文があります。今も、ご覧いただいているサイトの一番上に表示されているはずです。
私たちはNPO法人運営サポートに関する専門組織です。ですから、ソノリテがご提供している支援者管理データベースももちろん、非営利組織のためのものです。
でも世の中には営利企業が業務で使用できるクオリティの住所録や顧客管理のためのデータベースはたくさんあって、そういったものの中には、安価だったり(なかには無料のものもあります)、手軽に導入できるものがたくさんあります。
そういうものを流用すれば簡単なのに、なぜ、わざわざ「非営利組織のための」ものが必要なんだろう…と思いませんか?今日はこのことについて少しお話したいと思います。
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NPOなどの非営利組織の支援者管理データベースの特徴は、「名簿」を軸に構築することです。
これは、営利企業向けのデータベースとの決定的な違いです。
営利企業向けのデータベースは、1対1の関係だととらえることができます。つまり、企業は売りたい商品があって、それを買ってくれる顧客を管理する。顧客はあくまでも顧客であって、いつ、何をいくら買ったのか、がデータとして登録されていくと、累積の回数や金額、その顧客の好みなどがデータから読み取れるものになります。したがって、管理はシンプルです。
ところが、非営利組織の場合は、Aさんが寄付をした、というデータを管理します。次に、Aさんが会員になってくれました。ここで、履歴としては寄付の履歴と会費を払ったという履歴ができます。次に、Aさんは、ボランティアとして活動に参加するようになります。
このときに、寄付者の名簿と、会員の名簿と、ボランティアの名簿が3つできてしまうと、同じAさんが3回出てきてしまいます。そこで、履歴ベースでデータを構築するのではなく、人、つまり名簿を中心において、その人がどんな行動をしたのか、どんなコンタクトをしたのか、名簿に紐づく形で管理ができるように構築します。そうすることによって、支援者の属性や団体との関係が立体的にわかるようになります。ここを上手に設計ができることが、支援者管理データベースをうまく活用するコツです。
名簿を中心においてデータベースを構築する必要性を理解いただけましたでしょうか。
では次に、名簿をいかに最新に、そして一元管理できるかがポイントになります。先ほどご説明したとおり、いろいろな動き、コンタクトをしたときに、名前やメールアドレス、電話番号、住所などが一致すれば同じ人だと判断します。同じ人であれば、当然同じ名前だし、同じ連絡先だから、一致することは難しくない、と思われるかもしれません。
しかし、名前だけをとっても、漢字の違いがあれば同一とはシステムでは判断できません。
たとえば、私の名前は、江崎礼子です。
でも実は、戸籍上の名前は、江﨑礼子です。
﨑 という字は、環境依存文字であり、変換をしても簡単に出てこない場合が多いため、自分でメールを打つときも、江崎です、と
打つことが多いです。
当然、江崎礼子と、江﨑礼子 は、システムでは別人と判断されますので、異なる名簿ができます。ソノリテの構築するデータベースでは、名簿IDという数字を振って管理しますが、異なる名簿IDが作られることになります。
住所の場合も同じですね。ソノリテの本社の住所は、江東区東陽3-8-5 日向野ビル3階 です。
しかし、江東区東陽3丁目8ー5-3階 と入力することもありますよね。
この場合、人間が見れば、同じ住所だけど表記が違うだけだな、と判断ができますが、システムは別の住所だと判断します。(厳密にいうと、3丁目と3-を同一と判断するようなプログラムを入れることは可能です)
このような住所の表記のずれを「表記ゆれ」と言ったりします。表記ゆれは必ず生じますので、私たちは、重複名簿はできるもの、と考え、定期的に名簿のメンテナンスをし、同一ではないかな?と思われる名簿を人間がチェックをし、同じであれば一つにまとめる、「名寄せ」という作業を行います。
「名寄せ」が定期的にできていれば、DMなどの郵送や、メールの一斉送信なども無駄がなく、適切にコミュニケーションが行えます。
支援者管理データベースは、事務局の人数が少なくても、何万件という支援者とのコミュニケーションをスムーズに行うことができるためのツールです。
皆さんの団体では、支援者名簿に重複名簿がたくさんある、なんてことはないでしょうか?
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