無いなら作ろう!Bokinchanの生みの親 トムさん

ソノリテにご縁のある人シリーズ、今回はソノリテのサービスの中心である「Bokinchan」の生みの親、そして神山サテライトオフィスを開設するきっかけを作ってくれた恩人、トム・ヴィンセントさん。

トムさんとの出会いは、私(江崎)が世界の子どもにワクチンを日本委員会の職員のころ、Think the Earth プロジェクトのパートナーNGOとして勉強会などに参加していたときに、ご一緒したのが最初だと思います。

ふとしたきっかけで、NGOやNPOが寄付を集めるときに、なんで日本ではオンライン決済の導入が進まないんだろう、という話からはじまり、欧米ではオンラインでの決済が当たり前なのにね、どこがボトルネックなのかな、などと話しが広がり、カード会社、決済代行会社、NPOの実務担当者などとリサーチを重ね、「オンライン募金研究会」と称してかれこれ2年くらい、集まっては議論を重ねていました。

調べてみると、お買い物などのECサイトの導入は進んでいるのに、どうも「寄付」だけがダメらしい。対価性が無いから、不正利用に使われやすいとか、顧客とトラブルになりやすいとか、カード会社や決済代行会社は消極的でした。

一方で、システムが仮にあったとしても、それを使いこなして寄付を集められる団体、そして寄付を受け取った後にお礼や領収書などのコミュニケーションや、名簿の管理まで考えて対応ができるNGO・NPOは少ないこともわかってきました。

当時、トムさんが仕事をしていた世界陸上で、テレビ放映中に途上国への寄付を集めるのに使ってはどうか、などいろいろな企画の話もあったり、経産省の補助金の申請をしたり。(結局世界陸上も、補助金も採択されませんでしたが)
Think the Earthの原田さん、当時、イメージソース役員の花井さん(SE)とともに全員が完全ボランティアで行っていた研究会。そして最終的には「無いなら作ろう」と言ってくださって生まれたのがBokinchanです。

こうして、システムを開発していただき、世界の子どもにワクチンを日本委員会でパイロットケースとして活用させてもらい、同時に他のNPOが使う場合はどういう手続き、契約、などが必要かを検討していく中で、システムを管理し、販売する会社が必要だということがわかり、「ソノリテ」を立ち上げることになりました。

当初、私はトムさんか花井さんが、ご自分の会社、または新しい会社で販売してくれると思っていたのですが、江崎さんにあげるから、多くのNPOが使えるようにして、と言われシステムを寄贈してもらっちゃった。それがソノリテのスタートになっています。

久しぶりに会ったトムさんは、開口一番、Bokinchanてまだ生きてるの!?と。
はい、バージョンは3くらいになっていますが、生きておりますよ。おかげさまでビジネスの種として、そして多くの団体の資金集めのためのシステムとして使われております。

その後、神山に行くきっかけもトムさんなのですが、これはまた深い話になりますので次の機会にして、日野のトムさんの暮らしをご紹介します。

トムさんの家は、近江商人の名家のひとつが空き家になっていたところにリノベーションをして住んでおられました。
蔵が3つもある大きなおうち。お庭も日本庭園風。
近江商人は、北関東などに稼ぎに行かれるので、本家は奥様と女中さんたち,丁稚さんたちがたくさん暮らしていたそうです。
今は、もう、近江商人は日野町には住んでいないそうですが、大切に文化や歴史を語り継ごうとしている町の様子が楽しい。
とんでもないおもちゃを手に入れてしまった、というトムさんの言葉がよくわかります。

奥様ののり子さんは、プランナー。行政や企業の企画をされている傍ら、壊れた陶器やガラスの継ぎ目を漆でつないで、金粉を仕上げにふりかけてきれいに再生する金継ぎ職人としても活躍されています。
工房では毎日のように生徒さんが教室に通ってこられているそうです。

久しぶりに会ったトムさんですが、神山のこと、寄付集めのこと、環境活動など、話題は尽きなくて。久しぶりと思えないくらいすぐに話が通じて本当に頼りになります。
これから、また次のステージで、何かご一緒できそうな予感。楽しみです。

金継ぎ工房はこちら

馬美岡綿向神社は545年からある由緒ある神社、5月の祭りはこの神社から山車がでるそう。荘厳な感じ。

レストラン岡崎でいただいた本格近江牛。格別です。

トムさんがはじめた日野ビール、金曜日と土曜日は生ビールが量り売りで購入できるそうです。