募金箱の管理は奥が深い

NPOのみなさん、募金箱の設置による寄付のお願いをしたことがありますか?

募金箱を活用した募金活動は、大きく2種類の方法があります。

1つ目は、街頭募金です。駅前などの人通りが多い場所で募金の呼びかけをしている場面、一度は見たことがあるのではないでしょうか。

もう1つの方法は、店舗などの設置です。小銭があったら気軽に入れていただけるからか、キャッシュレス決済が普及した今でも、コンビニやスーパーのレジ横においてありますね。

買い物のついでに寄付できる、あるいは街頭募金の場合は、何のための募金かわかりやすく呼びかけることによって、手軽に寄付をしていただくことができます。ほとんどの方が税控除や領収書を求めないことも特徴で、寄付をする人にとって、ハードルが低い寄付方法だと言えるでしょう。でも、実は募金箱の管理は意外と奥が深いのです。今日はそのことについてお話ししたいと思います。

ポイント1 オフィシャル募金箱やポスターの制作


街頭募金の場合も、店舗設置の場合も、団体のスタッフが直接募金活動に参加したり、店舗へ頻繁に訪問できるわけではありません。ボランティアスタッフの皆さんが募金活動をしたり、店舗の責任者の方が募金箱の設置をします。時には寄付者・来店者の質問に答えていただく必要も出てくるでしょう。

そこで、まず、オフィシャルの募金箱を用意することをおすすめします。どこへの寄付(募金)を呼びかけているのか、箱にロゴや写真などをあしらって、誰がみても寄付先が明らかであることをアピールします。私がかつて在籍していた世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)の場合は、団体の名称が入っているロゴマークが目印になっています。

さらに、募金箱だけでは情報が少ないので、ポスターやパンフレットなどを配布したり、近くに設置できるとよいと思います。そのために、わかりやすいポスターなどの制作も必要です。

話はそれますが、先日、都心の銀行に行った際、「ペットボトルキャップの回収に協力いただくとワクチンへの支援になります」というのポスターを見てびっくり。これ私が働いていた団体です!と思わず窓口の方に話しかけてしまいました。

ポイント2 ナンバリングとデータベース管理

さて、話は戻り、募金箱の管理です。手軽な寄付方法である反面、リスクも伴います。例えば、団体が把握できない状態で実施された募金活動で、寄付金を着服されてしまうケース。このブログでも以前取り上げましたが、先日の24時間チャリティーの件は記憶に新しいと思います。

リスク回避という意味合いからも、やはり募金箱はオフィシャルに団体が作成したものを使用するのが大事ですね。そして必ずナンバリングをします。001番の募金箱は、どこどこの店舗に設置されている、ということを管理するのです。募金箱による寄付にきちんと取り組もうとするなら募金箱の数は増えていくでしょうし、一つ一つについてもらさず設置の協力者の連絡先、設置場所の詳細、いつ・いくらの振り込みがあったかなどの情報を把握しておかなければなりませんから、データベース化して管理するのがおすすめです。

前述のJCVでは、協力者は募金箱の個数、設置場所、振込予定日などを所定の書面で届け出て初めて募金箱とポスターなどの資料を合わせて送ってもらえる、という運用をしていました。また、常設の場合は、できれば1年に1回は、その時点の募金を団体へ振込していただくようにご案内していました。

ポイント3 寄付の分析・検証

団体にとって、募金箱の設置数、設置場所の管理だけでなく、募金箱による寄付金の管理や報告も必要です。しかし、募金箱による募金の金額は予測がつきにくいものです。でも、前述のようなデータ管理が確立できれば分析も容易になり、1件あたりの平均募金額や、入金のサイクルも予測がつくようになる…という効果も期待できるでしょう。

もっと言えば、何年も、募金箱を設置はしているけれども、一回も入金がない場合、設置場所の管理方法を確認したほうがいいかもしれません。データ化できていればそういった検証も容易です。

届け出が必要な場合もある

このほかにも、街頭募金のように駅前など公共の場所で募金活動を行う場合は、道路使用許可を警察署へ届け出てもらわなければなりません。そして当日その許可証を携行しておき、現場で警察などに確認を求められた場合は提示して説明するなどの対応も必要となります。

募金箱の効果

その場で寄付をしなかった人も、何度か目にすることで“知っている団体”だと思ってもらえるようになり、、何かのきっかけで寄付をしたいと思うようになったり、企業からの高額寄付などにつながることもあります。団体にとって、手軽に多くの方からの支援を集めることができ、そして多くの人の目に触れることによる宣伝効果も高い。募金箱はやはり有効な手段の一つであることは確かです。

ただし、うまく活用するには、ここまでご説明したとおり押さえるべきポイントがあります。最初に「奥が深い」とお話した理由をご理解いただけましたでしょうか。

 

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▼募金箱の活用の肝ともいえるデータベース。
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