【続】24時間テレビチャリティーを考える

以前、このブログで24時間テレビチャリティーの不祥事について記事を書いたところ、東京新聞の記者さんが取材に来てくださいました。
というのも、いろいろ取りざたされはしたものの、今年も24時間テレビを放映することが決まったからだそうです。そのときお話ししたことは紙面に掲載していただきました。
(以前のブログはこちらです。東京新聞の記事はこちらでご覧いただけます。) 

この土日に、24時間テレビが実際に放映されました。一部ですが拝見しましたので、続編として雑感をつづってみたいと思います。

まず、今年のテーマは、「愛は地球を救えるか?」。テレビ局の特設サイトでも、この問いをずっと考え続けたいと書かれていて、好感を持てます。

有名人がチャリティ・ボランティアすることへの目線

私がたまたま見たコーナーは、歌手の八代亜紀さんのストーリーでした。戦後、昭和歌謡が全盛期のころに活躍され、今年の1月にお亡くなりになるまで、ボランティア活動やご自身の生活のことなどが再現ドラマを交えて放映されていました。晩年は保護猫の活動にも力を入れておられたとか。

最近でこそ、チャリティー活動やボランティア活動も、売名行為ではなくその方の人柄を表すストーリーとして報道されることも増えてきました。それでもまだ、有名人、著名人がチャリティー活動をすることへの、一般の方からの冷たさを感じることがあります。

私が以前いた職場でプロ野球選手の和田毅投手(ソフトバンクホークス)からの寄付の申し出を受けたときは、王貞治監督(当時)がバックアップをしてくださって、和田投手の思いが曲解されないように、そして選手活動に悪影響が出ないようにと、球団の営業の方やスポーツマネジメントの会社と連携して取り組んだことを思い出します。
その少し前には、藤原紀香さんが、セーブザチルドレンのキャンペーンに協力され、全国のコンビニに大きなポスターが掲示されたという事例がありました。そのときは、実現に向けてさる大物女優さんの後押しがあったと聞いています。

チャリティーTシャツと寄付の対価性

アイドルや著名人がメディアを通じて訴えることの影響力は大きいものです。24時間テレビでも、BTSのメンバーがチャリティーTシャツを着たとたんに売り切れ続出とか。動機としてタレントさんと同じTシャツが着たい、というのが強いとすれば、寄付の対価性の判定からすると寄付ではない、対価目的の支出である、ということになるのかもしれません。難しいのは、Tシャツが着たいだけではなく、〇〇さんと同じチャリティー活動に参加したい、という動機だと考えればそうとばかりも言えない、という点ですね。

寄付の手段の変化

今年は、過去の不祥事もあって、WEBからさまざまな手段で寄付ができるようになりました。テレビでもQRコードが常に表示され、ここから読み取ってすぐに寄付ができます、とPRしていました。チャリティーマラソンのゴールの時間に私もアクセスしてみたのですが、アクセスが集中したため接続ができません、となってしまいました。時間をおいてしてみようと思いますが、同じようにあきらめた方も多かったことと思われます。小銭をもって行列をつくるよりは、キャッシュレス決済が今の時代にあっていますね。募金額が伸びるのかどうか注目したいと思います。

寄付金の使い道 やさしいほうの世界の実現に向けて

 「愛は地球を救うのか?」を本当に考え続けるならば、ぜひとも寄付金の使い道をしっかりと検討し、見届けてほしいと思います。先の新聞社の取材のときにも提案したのですが、高校生や大学生などの若いメンバーを募り、民間の寄付を必要としているのはどこなのか、どういう使い方が有効なのか、時間をかけて勉強したり調査したりして、使い方の報告もするプロジェクトはいかがでしょうか?いろいろな困った状況があるなかで、どっちがより困っているのか、お金がいくらあればいいのか、というような単純な指標だけでは判断できないこと、場合によっては国の予算の付き方、法制度の問題まで気になってくるかもしれません。

なぜ、若いメンバーがいいのか、それは正解があるからではなく、考えるプロセスが重要だからです。そのような経験をした人たちが大人になったとき、社会が変わると信じています。若い方への寄付教育が、日本をやさしいほうの世界へと変える唯一の手段だと考えるからです。寄付金の一部でもいいので、ユースメンバーによる企画に寄付を託していただくことをぜひプロデューサーさんへ提案します。

愛は地球を救うのか?

24時間テレビの感想といえば、よく目にするのはチャリティーマラソンの是非。いろいろ言われているようですが、どんなタレントを起用しても、どんな涙を誘うようなドラマでも、リアリティがあれば人の心に何かが届くと思います。もし、リアリティがない、作られたストーリーで装飾されている部分があるのであれば、それは人の心を動かさないのではないでしょうか。

「愛は地球を救うのか?」私も、見守り続けようと思います。

余談ですが、キャッシュレス決済になったのは良いですが、寄付者の名簿はどうやって管理されているのか、気になりますねえ。うふふ。

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