東日本大震災から13年 被災地訪問レポート (2回目)

3月11日福島視察レポート第2回目です。

畔蒜さんと西谷さん、大学生インターンの二人は双葉郡の地域の施設、ふたばいんふぉ ならはCANvas を巡った後、イベント SONG OF THE EARTH 311 -FUKUSHIMA 2024- に参加し、さらに様々な方と出会いました。

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SONG OF THE EARTH 311 -FUKUSHIMA 2024-

一般社団法人LOVE FOR NIPPON の代表 CANDLE JUNE さんが、新潟県中越地震の支援をきっかけに『悲しみから喜びへ』を合言葉に2008年から実施しているキャンドルナイトをベースとした、音楽ライブやワークショップ、地元の出店などから構成される追悼復興イベントです。2011年6月11日から、毎月かかさず月命日に開催されています。

今回私たちは、Jヴィレッジで開催された「SONG OF THE EARTH 311 -FUKUSHIMA 2024-」(SOTE)に行ってきました。Jヴィレッジ双葉郡にある東京ドーム10個分という広大な面積のスポーツトレーニング施設で、東京オリンピックの聖火リレーのスタート地点になった場所としても知られています。式典では14時46分にみんなで黙祷。CANDLE JUNE さんのスピーチをお聞きし、様々な催しを巡りました。

3.11 夢の大凧あげ

福島県の子ども達の夢や希望が描かれた 六角凧 が黙祷後の大空にあがります。広野町が取り組む、街を元気にするプロジェクト「日本最北のバナナ」 プロジェクトで生産されるバナナの茎を原料にした和紙に、福島県の子ども達が夢や希望を描き、新潟三条凧協会六角凧 を製作しているそうです。

私たちも凧揚げに参加しましたが、風が強く、高く飛び爽快でした。凧の糸を引っ張る力がとても強く吹き飛ばされそうでした「挑」と大きく書かれた凧が風にのって高く悠々と上がり続ける姿に、多くの人の願いや前向きな希望がこもっている気がしました。

ふたば巨大だるま引き合戦

双葉町で江戸時代から続く新年の伝統行事「だるま市」。そのお祭りのメイン「巨大だるま引き合戦」をSOTE会場でも毎年行っているそうです。高さ3.3m、重さ700kgの巨大だるまを挟んで、南北に延ばされた綱を引き合い、「北が勝てば家内安全と商売繁盛。南が勝てば無病息災と身体健固。」と1年を占うのだそう。撮影を担当していたのですが、カメラ越しにもみんなで楽しくやろうという空気が伝わってきました。

県外からだけれど私も参加していいのかな…と思いつつ、だるま引きをしてみたくて3回戦目、北側に参加してみました。隣のお姉さんが「商売繫盛!商売繁盛!!」と大きな声で叫びながら綱を引いていて、物凄いパワーを感じました。北が勝つと、周りの人たちとハイタッチしました。とても楽しい時間でした。

初めてのインタビュアー体験 TokyoボーダレスTV

SOTE会場で、「TokyoボーダレスTV」によるインタビュー撮影にインタビュアーとして参加しました。

TokyoボーダレスTVは「慈善活動の取り組みも大切に、地球と心に優しい放送局」として運営しているインターネットTV放送局で、ソノリテ代表の江崎さんはこれまでもインタビュアーとして番組制作にかかわっています。今回は私たちも一緒にインタビューをさせていただくことになりました。

SOTEの代表CANDLE JUNEさんと、アーティストの山岡トモタケさん、谷本賢一さんにお話をうかがうことになったのですが、実は急に「インタビュアーをやってみる?」といわれ、不安しかありませんでした。アーティストの皆さんがフォローしてくださり、フレンドリーな対応をしてくださって救われました。

特に山岡トモタケさんへのインタビューでは、緊張で名前を3回も間違えてしまいました。すみませんでした。優しく話しかけてくださって本当にありがたかったです。

 ※撮影した動画は後日、TokyoボーダレスTVにアップされる予定です。

音楽ライブ

Jヴィレッジのドーム内では、音楽アーティストによるライブが行われていました。

地元に帰ってきたアーティストさんが歌う「ただいまの歌」を聞いて、育った場所の大切さを改めて感じました。震災があっても何があっても地元は地元、変わらないということが心に響きました。優しさに包まれた芯のある音や言葉をきき、グッと温かくなる気持ちが伝わる音楽や、苦悩がみえる音楽もあり、この日を共に生きることの意味を感じるパフォーマンスでした。

出店・展示 FOOD &MARKET &WORKSHOP

SOTEを共に盛り上げる企業や団体による物販や展示、ワークショップもありました。キャンプ用品や企業の商品、写真家さんの展示など出展は様々です。出展している方同士も顔見知りなのか、和気あいあいとした雰囲気でした。

お花のブーケをつくるワークショップに参加し、カラフルで種類も豊富な花の中から、自分が好きな花を5本選びブーケをつくりました。綺麗な写真がとれるスペースももうけられていて心惹かれました。目立つし、やりたいと思ってしまう工夫がありました。作ったブーケは持ち帰ったのですが、花がこの日の思い出にさらに彩りを加えてくれたように感じました。

写真家の 石井麻木 さんが撮影した震災当時の写真展示では、その当時を生きる人や環境の様子や、それを写真に残していく石井さんの迷いや決意があり、心に深く刺さりました。

キャンドルづくりワークショップ

CANDLE JUNE さんのキャンドルをつくるワークショップにも参加しました。紐を缶に入ってる色のついた蝋と水に交互に入れるだけの簡単なもので、子どもでも参加できるものになっていたのがよかったです。色のバリエーションも豊富で、好きな色でグラデーションをつくれて楽しかったです。

CANDLE 11th

夕暮れ時、CANDLE JUNEさんが制作したキャンドルのほか、福島各地のみなさんの想いや子どもたちの夢が書かれたキャンドルが灯されていきました。中央にはサーチライトが空へ向かって照らされていました。キャンドルを見にたくさんの人が来ていて、暗い空間にキャンドルの光で人々の表情が少しだけうかがえます。その状況が光をより感じる事につながり、神秘的でした。

温かく眩く灯るキャンドルたちそれぞれの想いが空に届いているようにみえました。参加者の方が「これはやっぱり毎年見ないといけないね」と話していて、この日にこのキャンドルを灯すことは、震災当時の想いを忘れないためでもあるのだと思いました。

3月11日に福島を訪問して ~西谷彩

写真家の石井麻木さんの写真にそえられた言葉の中に、「知ることしかできないけど、知ることはできる。」という言葉がありました。私は震災へ何かしらの支援をするときに、少し無力感をかんじてしまうことがありましたが、「知る」ということだけでもどれだけ大切なことであるか気づかせてくれるきっかけになりました。

今回私がみた福島は一端にしかすぎないとは思いますが、震災当時の想いも大切に、これからをとても前に進むエネルギーをもった人たちがいることを知りました。

 

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